人生大学メールマガジン 第2号

少し時間がたちましたが、新年おめでとうございます。皆様には新しい年を新たな抱負をもってお迎えになられたことでしょう。

よく1年の計は元旦にありと言われますが、毎年今年こそは頑張ろうと新しい計画を作るのですが、2~3か月も過ぎると、新年の抱負が色褪せ、場合によっては計画すら忘れてしまうといったことになりがちです。こうして貴重な人生の年輪をむなしく重ねることになるのですが、それだけ新たな計画を実行することは困難を伴うということでしょう。

しかし途中で頓挫しそうになってもそれにめげることなく計画を見直し、軌道修正して取り組むと言う事は十分可能です。短期間のうちにローリングすることになりますが、計画はローリングプランとして組み立て、plan・do・heck・action のサイクルがうまくいくように工夫しましょう。また親しい仕事の仲間同士で情報交換しながら取り組むということもうまくいく秘訣です。

真の自分らしさを創造するライフ・イノベーション・カレッジ2022

今年から人生大学では真の自分らしさを創造するライフ・イノベーション・カレッジを始めます。

このカレッジは毎月1回自分らしさを創造するテーマについてオンラインで座学を行い、参加者同士で情報交換し、理解を深め、自分らしさを形作る考え方、スキル、無形の資産づくりに活用していきます。

2022年度のメインテーマは、100年時代の人生戦略、長寿人生マネジメント、釈尊の仏教に学ぶ、親鸞の念仏の教えに学ぶ、マインドフルネス、人生シナリオの作成法、デザイン思考の身に着け方、人間力SQ,7つの習慣、エイジレスライフの実践等です。

テーマがたくさんありますが、一つ一つのテーマにかける情報提供の時間はせいぜい2時間程度です。どのテーマが重要かは人によって異なりますが、あとは自分に合ったテーマを自分なりに掘り下げるようにしてください。

この中で仏教は人間存在の原点、根本を見つめるもので、特に自分を見つめるということについて欠かすことのできない多くの視点を含んでいます。仏教については人生大学の「長寿人生を生き抜く力養成コース」)(別途開校予定)でも詳しく取り上げる予定です。

カレッジでは講師からの情報提供、参加者同士のワークショップ、情報交換を通してお互いに切磋琢磨し、ともに学ぶ共育とシナジー効果を実現したいと思っています。

カレッジの目標である人生シナリオの作成については、いろいろのテーマを学ぶ中で1年かけて自分の人生を見つめ、自分の価値を発掘し、無形資産を中心にスキルや人生を語る仲間づくり、家族との絆など多面的に熟考したものをこれからの人生シナリオとして作成します。他人の人生シナリオから教えられ学ぶこともいろいろあります。お互いの発表しあい中身の濃いものに仕上げましょう。

真の自分らしさを創造する「ライフ・イノベーション・カレッジ2022」は4月からスタートです。1月から3月までは準備期間として企画会議を毎月実施します。関心のある方はぜひご参加ください。

仏教で目指す本質は一体感であることに目覚める

人生大学で長寿人生の恵みを享受して幸せな人生を生き抜くためには 、新しい可能性に挑戦し、自分自身を見つめ、仏教の目指す目覚めを達成する必要があります。

仏教を学び自分の意識を高めるということは、自分本位のものの見方考え方が、少しずつ変わり、自分は自分を取り巻く周囲からの恩恵や支えによって生かされているという見方になるということです。目に見えない大きな力、慈悲の力が自分に働いているということを実感することでもあります。

現代風に言えば、自分の思考のパラダイム(ものの見方)を仏教で教える原理にあったものにしていく。人生を仏教の基本原理にのっとって生きて行くということです。

仏教の基本原理にはいくつかの教えがありますが、釈尊の説かれた教えに例えば縁起、四諦八正道、四法印などの教えがあります。
縁起については私たちは日常今日は縁起が良いとか、縁起が悪いとかと言って何気なく縁起という言葉を使っていますが、縁起の本来的意味は互いに頼りあっている、相互依存の関係にあるということです。

自然界のあらゆる生態系は他の生態系とかかわりあっており、他の生態系の存在なしには生きて行けません。国家にしても経済活動にしても世界中が密接にかかわりあい、お互いに支えあって存立しているのです。

トヨタ自動車の車の生産は 台湾や韓国の半導体の生産や海外からの部品調達によって賄われています。日本の多くの製造業が中国からの部品供給によって営まれており、世界的なサプライチェーンの動向が日本の製造業を左右します。日本のパソコンは大半が中国で生産されており、アメリカや中国の農産物のおかげで自給率の乏しい日本の食料が確保できているということがあります。

私たち個人の生活を考えてみても、誕生して以来どれだけ多くの人々のお世話になってきたか考えてみてください。生まれて10歳になるまでに2万人から3万人もの人にお世話になっていると言われています。もっと多いかもしれません。病院関係者、行政、保育園や幼稚園で働く人、学校関係者、食料を作る人、生活物資を提供する人や会社関係者、地域の人々など、どれだけ多くの人にお世話になっているか分かりません。

私たちが毎日食べているご飯の米粒一つを考えてみても、 農家の人が苗代で米粒を苗に育て、 田んぼを耕して水を引き、苗を植えて肥料をやり、雑草を取き、太陽の恵みを頂いて稲になるのです。農家の人が実った稲を収穫して精米し、袋詰めしマーケットに出荷します。私たちはお店に出されたお米を買ってきて炊飯器でご飯にします。一粒の米粒がご飯になるまでのプロセスを考えてみても実に多くの人が関わっており、目に見えない無数の人々のお陰によって私の命が支えられているのです。
毎日飲んでいる水や 呼吸で取り込んでいる酸素の価値についても、日頃あまり考えませんが 、私の命を支えるために私たちはどれだけ多くの恩恵を被っていることでしょうか。こうした恩恵に対し、私一人が社会や環境に対しどれだけの貢献ができているか、考えてみると反省することばかりです。

インドラの宝石の網

仏教にインドラの宝石の網の喩えがあります。インドラとはヒンズー教の神ですが仏教では仏教を守護する神として讃えられています。インドラ神の住む宮殿にはインドラの網がかけられているのですが、この網は結び目に宝石が縫いつけられ光り輝く網なのです。

宇宙を被っているインドラの宝石の網を想像してみましょう。光り輝く宝石の光は周囲の宝石によって照らし出された輝きであり、自分で光り輝いているのではありません。輝きをもらった宝石は周囲の宝石にまたその輝きを与えているのであり、お互いがお互いを輝かせあっているのです。網の目の宝石の一つが自分であると考えましょう。

私たちは網の目の結び目の一つなのです。 私を取り巻く周囲から 無数の慈悲の光をもらって光り輝いているのです。 私もまた周囲に対してなにがしかの輝く光を提供しているのです。 インドラの宝石の網の話は、現代のインターネット世界によく似ています。全世界に張り巡らされたインターネットによって私たちはお互いに情報をやり
取りしあい、お互いがお互いを支え合い、影響を及ぼしあっています。インターネットは光回線によって私たちが世界中の人々と繋がっていることを実感させてくれます。それと同じように、仏教で目指しているものは慈悲の光
による一体感です。

釈尊が四法印で説かれる諸法無我は私たちがあらゆる人たち(さらにはあらゆる生物)と相互依存の関係にあることを表しています。

幸福(Well-being)の実現とは自分さえ幸せならよいという狭い考えを乗り越えてあらゆる人たちと一緒にという視点が含まれていると認識しましょう。私たちは周りの人達が幸せにならないと自分も本当の意味で幸せを実現できないのです。