人生大学 

メールマガジン 第6号 2022/05/23

はじめに
5月も下旬を迎え、蒸し暑い日が続きますが、皆さんお変わりありませんか。
自然の躍動するこの時期に、私たち人間はコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻による
物価高騰、自然災害の不安に振り回されていますが、諸行は無常であり、人生はデ
コボコの道であることを念頭に置き、必要以上に一喜一憂することなく、毎日を懸命
に、充実して生き抜くことが必要です。

1.モデルのない時代に自分のモデルを作る
人生大学では人生 100 年時代を迎えたこれからの時代を見据え、長寿人生を生き抜く力を
養成し、年齢を重ねても可能な限り色々な分野で社会参画し、自分の人生の志を実現し、社
会に役立つことを目指しています。
ここで言うモデルとは社会における自分の役割、ロールモデルを言います。
熟年者にとって社会におけるロールモデルとは、与えられるものでなく自分で作り出していく
必要があります。
これまでの経験、自分が磨いてきたスキル、得意分野、色々な人脈、自分がこれから取り組
みたいテーマなどを総合的に検討し、役割モデルを作るのです。
私の場合若い時代のサラリーマン体験がベースになっています。その中心は人材育成の仕
事でした。その後郷里に帰り寺の住職の仕事に加え、町会議員、市議会議員の仕事を経験、
大病を患い、その後山口県社会教育委員、認定こども園の園長理事長等の仕事をやってき
ました。現在は人生大学を主宰するNPO法人を運営しています。
いろいろな仕事をする中でスキルを磨いてきましたが、これからも役に立つと思われるのは人
間関係能力とITリテラシー、PCやインターネットを活用する能力です。専門分野としては仏教
関連と様々な仕事の問題解決にあたって新しい方法を生み出すデザイン思考の手順などで
す。後は社会科学や人文科学系の分野の図書なら積極的に読書するという姿勢です。
熟年者にとって必要な無形資産として「100年時代の人生戦略」の著者リンダグラットンは生
産性資産、活力資産、変身資産をあげていますが、この中では変身資産が一番重要と言って
います。まずは自分が変わろうとする姿勢が重要なのです。
自分が変わるためには新しい環境に身を置くこと、新しい人間関係を作ることに躊躇しないこ
と、自分をとことん見つめることなどが必要ですが、人生大学の舞台は無形資産特に変身資
産を身につけるのにふさわしい雰囲気を作りたいと考えています。
人生大学では自分自身の人生シナリオの再設計を行うようにしています。現在ワークシー

トを用意していますので、参加者はこのワークシートに基づいて人生シナリオ再設計し、その中
で自分のロールモデルの創造をやって頂きたいと思っています。
私の身の回りにも自分のロールモデルを作って積極的に活動している人がたくさんいます。
地域の観光を盛り上げるためにボランティアガイドの会を組織し積極的にボランティアガイド
を行っている人、これまでの経験や自分の専門分野のスキルを活かし、パソコンの修理やパ
ソコン教室でパソコンの指導を行なっている人、子供食堂を開き、地域の子供たちに食事を
提供している人などロールモデルを自分で創り出している人は概してみんな元気で長寿人生
に挑戦しているように思えます。

2.仏教に学ぶ
5 月 21 日は浄土真宗の宗祖親鸞聖人のお生まれになった日でした。 浄土真宗各寺院では
毎年 5 月 21 日前後に親鸞聖人降誕会を営み、親鸞聖人のお誕生をお祝いします。
日本における仏教の歴史を考えてみる時 、仏教が伝来した奈良時代から平安時代までは
鎮護国家のための仏教であり、天皇や貴族、一部の出家者のための仏教でした。
この仏教を一般民衆のために誰もが救われていく教えとして 捉え直し、広めてくださったの
が鎌倉新仏教、特に浄土教、念仏の教えでありました。
平安時代の最高学府とも言うべき比叡山延暦寺においても、浄土教の教えは源信僧都によ
って 伝えられていましたが、この念仏の教えを本格的に広めてくださったのが延暦寺出身の
法然上人であります。
法然上人は 主著「選択本願念仏集」を著し、これまでの天皇や貴族、一部の出家者のため
の聖道門の教えをひっくり返し、念仏ひとつで誰もが救われていく浄土門の教えを広められま
した。
比叡山の修行に限界を見出した親鸞聖人が法然上人のもとに参籠し、法然上人の門下とな
って念仏の教えを学ばれ、これを体系化し立教開宗の書として「教行信証」を著されました。
「教行信証」は正式名称を「顕浄土真実教行証文類」と言います。浄土真宗では「御本典」とし
て多くの仏教書(聖典)の中で最も重視している書物です。
親鸞聖人によって体系化された念仏の教えは、本願寺 3 代の覚如上人によって浄土真宗と
いう教団として基礎が確立し、以後紆余曲折を経ながら、800 年の長きにわたって日本にお
ける伝統仏教最大の仏教教団として活動しています。
なぜ我々は仏教を学ぶ必要があるのでしょうか
世の中には一生の間仏教を学ぶこともなく人生を終える人もいます。仏教を学ぶ人と学ばな
い人で何が違うのでしょうか 。
まず言えることは人間に生まれたいのちの 尊さの自覚、目覚めということです。
私たちは人間に生まれたい命の尊さということについてどれだけ自覚しているでしょうか。
この地球上には命の種類は 2 億種以上あると言われています。その中で人間に生まれると
いうことは2億分の1の確率で私の命があるということです。あることが極めて難しいのに今
私の上に人間の命が実現し、 命の花が咲いているということです。
また私の命はご両親によって恵まれた命ですが、ご両親にはそのご両親が存在し、何代にも
わたって遡ると実に多くの先祖がいることに気がつきます。10 代に遡ると先祖の数は 100 万
人、20 代遡ると1億人の先祖がいることに驚かされます。
また私たちは生まれてこのかた目に見えない無数の人々の恩恵 を被っています。
ある人の計算では生まれて 15 歳になるまでに 2 万人以上の人のお世話になっているそうで
す。
仏教を開かれたお釈迦様は 生まれてすぐに東西南北に向かって7歩ずつ歩かれ、「天上
天下 唯我独尊」と言われたそうですが、その意味は天の上にも天の下にもただ人間のみが
尊しと言われたのです。
人間の尊さとは、人間は真実なるものを鏡として自分自身を見つめることができるということ
でしょう。
真実なるものとは、この宇宙存在のあるがままの姿、別の言い方では悟りの知恵と言っても
いいし、ダルマ(法)と言ってもいいかもしれません。その真実なるものに自分自身が向き合
い、自分自身を見つめることによって自分自身の赤裸々な姿が あらわになるのです。
親鸞聖人は真実なるものに見透かされた自分自身を愚禿親鸞と言われました。
自分自身を愚者と言われたのです。それは真実なるものと向き合うことによって明らかにされ
た自分自身の姿でした。
私たちはとかく事実をありのままにみず、こうあるべきだという自分の思いに執着し なぜ思う
ようにいかないのかと悩み、自己中心的に考えて苦しんでいるのが現実です 。
親鸞聖人は阿弥陀さまの本願を聞いて、 阿弥陀様の知恵と慈悲の光に照らされた自分自
身を見つめた時、「愚禿」「悪人」と言う自分自身を照らす言葉が出てきたのです。
しかしその言葉は絶望を意味する言葉ではありませんでした。「愚者」「悪人」をこそ救いの目
当てとした阿弥陀様の慈悲であり、親鸞聖人にとってはむしろ喜びの名告り、自己宣言であっ
たのです。
世の中では一般に賢者、賢人であることがもてはやされています。賢人会議とか賢者の見方
とかと言われ、重要視されています。物事を深く洞察し、卓越した考えだとか未来を見据えた
考えだと評価されます。この場合、問題とされているテーマは地球環境であったり、政治や経
済といった分野であったりします。今問題にしているのは自分自身です。仏教は常に自分自
身がテーマです。自分自身の人生のめざめ、自覚、生老病死の解決がテーマです。
だからこそ、賢者であっても真実に向き合ったからには愚者の自覚が必要なわけです。
親鸞聖人は念仏の教えを追求され、戒律を守ることが出来ない、出家することのできない、
日々の生業に 明け暮れる凡夫、愚者、悪人が救われていく道を広めてくださいました。だか
らこそ多くの人々が念仏の教えをいただき、苦難の多い人生を喜びをもって全うすることがで
きたのです。
親鸞聖人のお言葉に「世の中安穏なれ、仏法広まれかし」という言葉があります。
この言葉は親鸞聖人がお弟子に対して宛てた手紙の中に出てくるのですが、 今日の世相を
考える時この言葉の持つ大切さが今ほどひしひしと感じられることはありません。
世界は協調と連帯から分断と対立が際立つようになり、自国中心主義が目立つようになりま
した。 アメリカのトランプ大統領が唱えたアメリカ第一主義はブラジルや中国、北朝鮮など多
くの国が追随するようになり、ロシアのウクライナ侵攻によって世界は全く混沌とした新しい状
況に突入しました。 これに加えコロナパンデミックの影響や地球温暖化による様々な異常気
象が私たちの生活を脅かしています。
私たちは今こそ立場や国境を越えてお互いに人間に生まれた命の尊さに目覚め、人間として
今を生きているかけがえのない存在であることを自覚し、大きなご縁の中にある お互いであ
ることを 共感をもって生きていかねばならないと思うことです。

  1. 人生大学関連ニュース

5月16日、下関市の企画課と下関市のスマートシティ担当アドバイザーから人生大学の内容
について1時間ヒアリングを受けました。人生大学の内容について注目していただいているこ
とは誠にありがたいことです。
今後とも下関市に積極的にアピールし、地域に根差した熟年者向けネット大学&プラットホー
ムとして進化させていきたいと考えております。
現在は10人ほどのネットワ-クですが、当面参加者100人体制を目指して頑張ります。
皆さんのご支援をお願いします。