ふるさとの声に、もう一度耳を澄ませてみませんか

 「家族・ふるさとを見つめ直す」第2回  2026/8月

8月は「家族・ふるさとを見つめ直す」というテーマで、皆さんと一緒に考えてみました。

普段は忙しさに紛れて、つい後回しにしてしまう家族との時間。 長年生まれ育った故郷の記憶。 そうしたものに、8月はあらためて目を向けるひと月になったのではないでしょうか。  今回は、実際にあった一つの事例をご紹介しながら、 「気づき」を「行動」に変えるための小さなヒントをお伝えしたいと思います。

ある70代女性の話

私の知り合いのAさん(70代女性)は、8月のテーマをきっかけに、 10年近く連絡を取っていなかった弟さんに電話をかけてみたそうです。 きっかけは些細なことでした。 ブログを見て「ふるさとの夏祭りの記憶」について思い出し、 子どもの頃、弟と一緒に花火を見た情景がふと蘇ってきたのです。   「今さら電話をしても、気まずいかもしれない」 そう思いながらも、Aさんは思い切って受話器を取りました。 電話の向こうから返ってきたのは、拍子抜けするほど自然な声だったといいます。

「え、姉ちゃん? 久しぶりやね。元気にしとった?」 10年という時間の隔たりは、思っていたよりもずっと簡単に埋まったのです。 それから二人は、最近は電話で近況を報告し合う関係に戻ったそうです。

Aさんはこう振り返っています。 「もっと早く連絡すればよかった、と思う反面、お盆のタイミングだったからこそ、 素直に電話できたのかもしれません。年を重ねたからこそ分かる、言葉にならない懐かしさってあるんですね」

懐かしい家族との想い出

気づきは、行動して初めて意味を持つ

Aさんの事例からわかることは、シンプルです。 

 気づきそのものよりも、そのあとの「ひと押し」が、関係を動かすのです。  家族やふるさとへの想いは、多くの方の心の中に、すでに眠りかけています。 問題は「思い出す」ことではなく、「行動に移す」ことのハードルなのです。                  そしてそのハードルは、多くの場合、私たちが想像しているよりもずっと低いものです。

今日からできる、小さな一歩

大きな決断や特別な準備は必要ありません。 たとえば、次のようなことから始めてみてはいかがでしょうか。

  • 疎遠になっている家族や親戚に、一本だけ電話をかけてみる
  • ふるさとの写真を一枚、手元に取り出してみる
  • 「元気にしていますか」と書いた短いはがきを一枚投函してみる
  • 次の帰省や旅行の予定を、カレンダーに仮で書き込んでみる

どれも、5分もあればできることばかりです。 大切なのは「完璧な再会」を目指すことではなく、 「小さなきっかけ」を自分から差し出してみることです。  かけがえのない家族との関係、命ある限り、具体的行動で大切にしたいものです。