10月❸市長の報告会で見た下関の「いま」と私たちの出番

10月7日、海峡メッセで開かれた下関市の前田市長の市政報告会に参加しました。見本市会場は参加者であふれかえり、1時間近くにわたる報告に、会場全体が熱心に耳を傾けていました。「このまちの未来を知りたい」という市民の関心の高さを、肌で感じる時間でした。

「住みたい田舎」総合1位。でも、それだけでは見えないこと

下関市は、宝島社『田舎暮らしの本』の「住みたい田舎ベストランキング」で、人口20万人以上のまちの総合部門で2年連続1位です。シニア世代部門も1位でした。うれしい知らせですが、この順位は、自治体の回答をもとに移住先としての魅力を数値化したもので、住民の満足度調査ではありません。だからこそ、数字を誇るだけでなく、私たち市民の実感と照らし合わせる視点が大切だと感じました。

どの20万都市にも共通する課題

報告会では、人口減少、運転手不足と交通の維持、働き手の不足、駅前の変化が課題として挙がりました。これは下関だけでなく、全国の同規模の都市に共通する課題です。下関の人口は、2020年の約25.5万人から令和8年2月末の約23.9万人へ、約6%減っています(出典が異なるため目安です)。

強みと弱みは表裏一体

観光客は令和3年の約370万人から令和7年の約586万人へ増え、5年連続で増加しています。令和7年12月には星野リゾートの「リゾナーレ下関」も開業しました。一方で、観光の渋滞は唐戸から最大約3kmにおよび、来訪者の約6割が車で移動します。令和7年(2025年)8月の豪雨のときは、通行止め解除後も渋滞解消までに約9時間かかりました。北九州と一体の生活圏、広い市域、海に囲まれた交通の要衝という下関の条件が、にぎわいと不便の両方を生んでいます。

暮らしの質を、私たちの手で

市の重点は、「生活の足」を軸に束ねること、20〜30代の定着、駅前・小月・道の駅などの地域拠点のネットワークづくりです。どれも行政だけで完結するものではありません。私は、市民にできることを次の5つに整理してみました。

  • 使う:バスや電車、地元の店や市場を日常で使う
  • 参加する:道の駅、公民館、地域行事の運営や催しに関わる
  • 声を出す:報告会やアンケートで、暮らしの実感を言葉にする
  • 学び伝える:学んだことを家族や近所の人に伝える
  • 担い手になる:経験や得意なことを活かして、役割を引き受ける

学びは、地域文化を楽しむ入り口

地域の祭りや行事、海峡の景色、市場の食文化。こうした地域文化は、知り、関わり、誰かに伝えることで、もっと味わい深くなります。そしてシニアの私達には、支えられる側から、まちを支える担い手へという大きな出番があると感じました。見守りや世代間交流、移動を支える仕組みづくり、空き物件を活かした起業など、経験を活かせる場がひろがっています。

報告のあとの懇親会で

報告のあとは立食の懇親会でした。印象的だったのは、市長が参加者一人ひとりに挨拶をして回っていたことです。市民の声に直接耳を傾けようとする姿勢が感じられました。課題は多いものの、下関の未来は比較的明るい。私はそう感じて会場をあとにしました。

そのためにも、私たち一人ひとりが「今日から始められる一つのこと」を持つことが大切です。近くの地域行事をのぞいてみる、今日学んだことを家族に話してみる。そんな小さな一歩からで十分です。

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